脂質って?はたらきや、1日に摂取すべき量!

公開日:2025/11/14 / 最終更新日:2025/11/14
脂質とは
脂質は体内でエネルギー
(カロリー)源となる栄養素で、
同じはたらきをするたんぱく質や
炭水化物とともに
「エネルギー産生栄養素」と呼ばれます。
また、
細胞膜や
「生理活性物質」の成分として
重要な役割を担います。
※生理活性物質とは
体内で起こる
さまざまな代謝を調節する物質のことで、
酵素やホルモン、
神経伝達物質などが該当します。
代謝とは
体内へ取り込んだ食物などを分解したり、
そこから別のものを産生したりする
はたらきを意味します。
また、
脂質は体の機能を調節する
「ステロイドホルモン」や
ビタミンDを生成する材料としての
役割も担います。
※ステロイドホルモンとは
女性ホルモン・男性ホルモンなどの
性ホルモンや、
副腎の外側部分の副腎皮質で産生される
糖質コルチコイド、
鉱質コルチコイドなどの総称です。
体の
さまざまな機能を維持するために
重要なはたらきをします。
脂質には
中性脂肪やリン脂質、コレステロールなど
さまざまな種類があります。
多くの脂質は
大部分が脂肪酸で構成されており、
構造の違いなどによって
はたらきが異なります。
なお、
私たちが食事から摂取している
脂質のほとんどが
中性脂肪(トリグリセリド)です。
食物から摂取した
脂質の大部分は小腸で消化され、
血中に溶け込み
全身へ運ばれます。
血中の脂質量は
通常一定に保たれていますが、
過剰になったり
不足したりすると
体にさまざまな影響を及ぼすため
注意が必要です。

脂質のはたらき
脂質は
エネルギー産生栄養素として
重要ですが、
他にも
さまざまなはたらきをしています。
ここからは
脂質のはたらきについて
詳しくみていきましょう。
1、エネルギー源となる
脂質は体内で
エネルギーを産み出す
重要な栄養素です。
エネルギー源として使われる
脂肪酸には、
たんぱく質や炭水化物の
倍以上のエネルギー量があります。
糖質とたんぱく質は
1g当たり4kcal、
脂質は
1g当たり9kcalの
エネルギーを生み出します。
このため、
効率の良いエネルギーとして
使われるだけでなく、
エネルギー蓄積物質としても
優先的に蓄えられます。
食べ過ぎたときに
体に脂肪が付くのには
このような理由があったのですね。
2、細胞膜やホルモンの材料となる
脂質の一種である
リン脂質やコレステロールは
細胞膜を構成する主成分です。
このため、
不足すると細胞膜の正常なはたらきに
支障が生じます。
また、
コレステロールは
ステロイドホルモンやビタミンD、
胆汁酸の材料となります。
いずれも
生命の維持に欠かせない
役割といえるでしょう。
3、ビタミンの吸収を助ける
脂質には
脂溶性ビタミンの吸収を良くする
はたらきがあります。
※脂溶性ビタミンとは
水に溶けにくく、
油脂やアルコールに溶ける性質を持つ
ビタミンの総称です。
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKが
脂溶性ビタミンに該当します。
食事での調理の際に
油を使って炒めたり、
油が入ったドレッシングなどを使ったりすることで、
脂溶性ビタミンの吸収率を
高めることができます。

脂肪酸の種類
私たちが日常口にする脂肪には、
バターや肉のように
常温で固体のものと、
サラダ油や
魚油のDHA(ドコサヘキサエン酸)
EPA(エイコサペンタエン酸 )のように
液体のものが存在します。
EPAはIPA
(イコサペンタエン酸)とも呼ばれます。
これらの脂肪の主成分は
いずれも中性脂肪ですが、
なぜ形状が違うのでしょうか。
その理由は、
中性脂肪の大部分を占める
脂肪酸の種類によって
脂肪の形状が変わるためです。
脂肪酸は炭素、水素、
酸素から構成されており、
炭素の数やつながり方によって
さまざまな種類が存在します。
分子の構造の違いから、
飽和脂肪酸と
不飽和脂肪酸に分類されます。
不飽和脂肪酸は
一価不飽和脂肪酸と
多価不飽和脂肪酸に分けられます。
さらに
多価不飽和脂肪酸には
n-6系とn-3系に分けられます。
ここからは
それぞれの特徴や
はたらきについて解説します。

1、不飽和脂肪酸1 一価不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸は、
植物や魚の油に多く含まれる
常温で液状の脂肪酸で、
一価不飽和脂肪酸と
多価不飽和脂肪酸に分けられます。
このうち
多価不飽和脂肪酸は
健康維持に重要ですが、
ヒトの体内では合成できない
もしくは
十分に合成できないため、
食物からの摂取が必要です。
ヒトの生命維持に欠かせない
脂肪酸のうち、
体内で合成できない
または
十分に合成できないため
食物からの摂取が必要なものを
「必須脂肪酸」といいます。
必須脂肪酸は
いずれも多価不飽和脂肪酸で、
「リノール酸」や「αーリノレン酸」などが
該当します。
不飽和脂肪酸には
LDLコレステロール
(悪玉コレステロール)を減らす
はたらきがあるといわれています。
LDLコレステロールには
肝臓で生成されたコレステロールを
全身へ運ぶ
はたらきがありますが、
増え過ぎると
動脈硬化を進行させます。
一方
HDLコレステロール
(善玉コレステロール)は
増え過ぎたコレステロールを回収して
肝臓へ戻し、
動脈硬化を抑制します。
まず、
一価不飽和脂肪酸について
さらに詳しくみていきましょう。
一価不飽和脂肪酸は
植物油に多く含まれ、
「ミリストオレイン酸」「パルミトオレイン酸」
「オレイン酸」「エルカ酸」などの
種類があります。
成人が
最も多く摂取している脂肪酸は、
一価不飽和脂肪酸といわれています。
一価不飽和脂肪酸が
主な生活習慣病の予防に
どのような影響を与えているのかは
明らかにはなっていません。
そのため厚生労働省は
一価不飽和脂肪酸の目標量は
設定していませんが、
一価不飽和脂肪酸もエネルギー源となるため、
肥満予防のためにも
過剰な摂取には注意が必要です。
2、不飽和脂肪酸2 多価不飽和脂肪酸
多価不飽和脂肪酸は
n-6系とn-3系に分類されます。
n-6系の脂肪酸には
リノール酸、γ─リノレン酸、
アラキドン酸などの種類があります。
このうち、
日本人が摂取しているもののほとんどが
リノール酸です。
リノール酸は
サフラワー油やとうもろこし油、大豆油、
ごま油といった植物油や
くるみなどのナッツ類に多く含まれます。
n-6系脂肪酸の摂取と
生活習慣病予防についての相関は
現段階では明らかではありません。
ただし、
飽和脂肪酸を
多価不飽和脂肪酸に置き換えた場合に
冠動脈疾患や
心筋梗塞の発症が
有意に減少することは認められています。
n-3系脂肪酸には
α-リノレン酸、EPA、DHAがあります。
α-リノレン酸は
体内でEPAやDHAに変化します。
α-リノレン酸は
大豆油、なたね油、えごま油、
アマニ油などの植物油や
くるみなどのナッツ類に多く含まれます。
EPAやDHAは魚類に
多く含まれる脂肪酸です。
n-3脂肪酸摂取による
循環器疾患の予防や
認知症の予防・治療への有効性は
明らかになっていません。
3、飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は、
乳製品や肉類など
主に
動物性食品に多く含まれる
固形の脂質のことです。
肉の脂身や
ラード、バター、生クリーム、パーム油、
カカオの油脂などに
多く含まれています。
また
インスタントラーメンなどの
加工食品にも多く使われています。
体内でつくることができるため
必須脂肪酸には該当しません。
飽和脂肪酸は
脂質異常症の一つである
「高LDLコレステロール血症」の
代表的な要因といわれます。
※脂質異常症とは
血液中の脂質の値が
基準から外れた状態のことです。
LDLコレステロール、HDLコレステロール、
中性脂肪の値が異常な状態の
診断基準です。
心筋梗塞など
循環器系の疾患や
肥満の危険因子として
注意が必要な栄養素です。

脂質の過不足による影響
脂質は
ヒトが生きていく上で不可欠ですが、
摂り過ぎると体にとって
さまざまなリスクをもたらします。
ここからは
脂質の過剰摂取や
摂取不足による
影響についてみていきましょう。
1、脂質の過剰摂取による影響
脂質の摂り過ぎは
肥満の原因になります。
脂質を摂り過ぎると、
消費しきれず余った脂質が
中性脂肪として蓄えられ、
結果的に
肥満を招きます。
肥満は糖尿病や高血圧症、心血管疾患、
脂質異常症などの
生活習慣病や、
大腸がん、前立腺がん、
乳がんなどを引き起こす要因となるため、
予防や対策が必要です。
脂質の過剰摂取には
注意が必要ですね。
2、脂質の摂取不足による影響
脂質が不足すると
エネルギーの不足が生じる他、
体力の低下や
ホルモンバランスの乱れ、
脳出血などを起こす恐れがあります。
必須脂肪酸である
n-6系脂肪酸や
n-3系脂肪酸が欠乏すると、
皮膚炎などの原因となります。
現代の一般的な食生活では
不足することは少ないといわれますが、
ダイエットで
極端な脂質制限を行った場合には
髪や肌の乾燥、肌荒れ、
シワなどが生じる恐れがあります。

脂質の食事摂取基準
「脂質ってどのくらい摂ったら良いのかな?」
というのが気になりますよね。
ここからは
厚生労働省の
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
で定められている
「脂質の目標量」「飽和脂肪酸の目標量」
「必須脂肪酸の目安量」についてみていきましょう。
1、脂質の目標量
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」において、
脂質の目標量は
同じくエネルギー産生栄養素である
たんぱく質や炭水化物の
摂取量とのバランスを考慮して
設定されています。
※目標量とは
「日本人の食事摂取基準」において、
生活習慣病の発症予防のために
日本人が当面目標とすべき摂取量として
設定されたものです。
総エネルギー摂取量に占める割合、
すなわちエネルギー比率
(%エネルギー)という単位で
示されています。
18歳以上の
1日当たりの脂質の摂取目標量は、
男女共に摂取する
エネルギー量全体の
20~30%です。
実際に
何gに相当するのか、
計算してみましょう。
1日当たりに必要とされるカロリー
(推定エネルギー必要量)は
年齢や性別、身体活動レベル
(どれだけ体を動かすかという指標)により
変わります。
まずは
ご自身の身体活動レベルを
下の表で確認してみてください。

次に、
ご自身の推定エネルギー必要量を
確認します。

例えば、
身体活動レベルが
普通の30代の女性の場合、
1日当たりの推定エネルギー必要量は
2,050kcalですね。
脂質の摂取目標量はこのうちの
20~30%エネルギーなので、
410~615 kcalです。
脂質1g当たりのカロリーは
9kcal なので、
46~68gが1日の摂取目標量になります 。
2、飽和脂肪酸の目標量
厚生労働省の
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、
生活習慣病予防を考慮し
て飽和脂肪酸の目標量が
定められています。
18歳以上の
1日当たりの飽和脂肪酸の
摂取目標量は、
男女共に7%エネルギー以下です。
身体活動レベルが
普通の30代の女性では、
1日当たりの推定エネルギー必要量
2,050kcalの7%エネルギーなので
144kcal以下です。
重量換算すると
16g以下ということになりますね。
3、必須脂肪酸の目安量
厚生労働省の
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、
必須脂肪酸である
n-6系脂肪酸と
n-3系脂肪酸について重量(g)で
目安量が定められています。
※目安量とは
一定の栄養状態を維持するのに
十分と考えられる量です。
この量以上を摂取していれば
不足の心配は
ほとんどないとされています。
1日当たりの
n-6系脂肪酸と
n-3系脂肪酸の摂取目標量は
次のとおりです。



脂質を摂取する際のポイント
脂質は
摂り過ぎないように注意すると同時に、
摂取する
脂肪酸の種類への配慮も重要です。
国が定める
「食生活指針」のなかでも、
かつては
「脂肪は控えめに」といわれていましたが
現在は
「脂肪は質と量を考えて」と
改定されています。
ここからは
脂質を摂取する際の
ポイントをご紹介します。
ポイント1
必須脂肪酸を十分に摂取する
必須脂肪酸である
多価不飽和脂肪酸
(n-6系脂肪酸とn-3系脂肪酸)は
体内で合成できないか、
合成できても十分な量ではないため、
食事から摂り入れる必要があります。
必須脂肪酸は
さまざまな食品に含まれており、
特に魚や
植物油から多く摂取することができます。
以下に、
必須脂肪酸を多く含む食品を
ご紹介しますので
参考にしてくださいね。


ポイント2
飽和脂肪酸の摂り過ぎに注意する
飽和脂肪酸の摂り過ぎは
肥満の原因となる他、
脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高める
LDLコレステロール濃度を上げる
要因ともなります。
健康な人のみならず
脂質異常症の患者においても、
飽和脂肪酸の
摂取量を制限することで
LDLコレステロール濃度が下がることが
報告されています。
また
飽和脂肪酸を
多価不飽和脂肪酸に置き換えた場合、
冠動脈疾患の発症率や
心筋梗塞の発症率および
死亡率を有意に減少させるということも
報告されています。
摂り過ぎないように
普段から
食事には気を付けたいものですね。
以下に、
飽和脂肪酸を多く含む食品を
ご紹介しますので
参考にしてください。


まとめ
脂質は体内でエネルギー源となる
「エネルギー産生栄養素」の一種です。
細胞膜や
ステロイドホルモンの材料となる他、
脂溶性ビタミンの吸収を良くする
はたらきがあります。
脂質は
飽和脂肪酸と
不飽和脂肪酸に大別できます。
不飽和脂肪酸は
一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸、
さらに
多価不飽和脂肪酸は
n-3系とn-6系に分けられます。
不飽和脂肪酸は
植物や魚の油に多く含まれる脂肪酸で、
悪玉コレステロールと呼ばれる
LDLコレステロールを減らす
はたらきがあるとされています。
不和脂肪酸のうち
一価不飽和脂肪酸は植物油に多く含まれ、
代表的なのが
オリーブオイルに含まれる
オレイン酸です。
また、
多価不飽和脂肪酸は
大豆油などの植物油に含まれる
n-6系と植物や
魚に含まれる
n-3系とに分類され、
いずれも
体内で合成できない
もしくは
十分に合成できない必須脂肪酸です。
n-6系脂肪酸の摂取と
生活習慣病予防についての相関は
現段階では明らかではありませんが、
飽和脂肪酸を
多価不飽和脂肪酸に置き換えた場合、
冠動脈疾患や
心筋梗塞の発症が
有意に減少することは認められています。
また
n-3脂肪酸摂取による
循環器疾患の予防や
認知症の予防・治療への有効性は
明らかになっていません。
脂質の摂り過ぎは
肥満を招き、
糖尿病や脂質異常症、高血圧症、
心血管疾患などの生活習慣病や、
大腸がん、前立腺がん、
乳がんなどを引き起こす要因となります。
一方、
脂質の摂取不足により
体力の低下や
ホルモンバランスの乱れ、脳出血、
皮膚炎などが起こるとされますが、
ダイエットなどで
極端な脂質制限を行わない限り
不足の心配はほとんどありません。
厚生労働省の
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、
脂質の目標量、飽和脂肪酸の目標量、
必須脂肪酸の目安量が設定されています。
必須脂肪酸である
多価不飽和脂肪酸を十分に摂取し、
肥満や脂質異常症の原因となる
飽和脂肪酸を
摂り過ぎないように注意しましょう。

PR
「40代のダイエット」カテゴリーの関連記事
「40代女性のダイエット」カテゴリーの関連記事
「痩せすぎダイエット」カテゴリーの関連記事
「痩せるコツ」カテゴリーの関連記事
「痩せるために必要な事」カテゴリーの関連記事
「痩せる習慣」カテゴリーの関連記事
「白米のカロリー」カテゴリーの関連記事
「睡眠ダイエット」カテゴリーの関連記事
「砂糖のカロリー」カテゴリーの関連記事
「糖質制限」カテゴリーの関連記事
「置き換えダイエット」カテゴリーの関連記事
「肥満とは」カテゴリーの関連記事
「肥満と関連する病気」カテゴリーの関連記事
「脂質」カテゴリーの関連記事
「部分痩せ」カテゴリーの関連記事