メタボと判定される腹囲って?

公開日:2025/11/21 / 最終更新日:2025/11/21
メタボリックシンドロームの腹囲の基準
腹囲は
内臓脂肪がどの程度蓄積しているかの
目安となり、
メタボリックシンドロームの
診断基準の一つです。
内臓脂肪の量は
CTスキャンなどで測定できますが、
健康診断では
腹囲の大きさを測ることで
推定されます。
※CTスキャンとは
筒状の装置内で
X線を全方向から体に照射し、
体の内部を画像化する検査です。
必要な器官だけの3Dや
体を輪切りにした状態を
画像にすることが可能です。
同じく
X線を用いるレントゲンは、
一方向からの画像を
一瞬で撮影する検査です。
腹囲の基準は
男性で85cm以上、
女性で90cm以上で
内臓脂肪面積
100平方センチメートルに相当します。
腹囲を測ることで
おおよその内臓脂肪の量が
推定できるのですね。
ただし、
腹囲が大きいだけでは
メタボリックシンドロームとはいえないため
注意が必要です。

腹囲の正しい測り方
正確な数値を把握するため、
腹囲は
正しい方法で測ることが重要です。
腹囲の測定は
できるだけ
飲食後2時間以上経過してから
行うようにしましょう。
力を抜いて立ち、
へその周囲径を測定します。
測られる人は両足をそろえ、
両腕を体の横に
自然に下ろします。
このとき、
おなかに力を入れないようにしてください。
測る方は
図られる方の正面に立ち、
メジャーを腹部に直接当てます。
正確な計測のためには、
下着などを着用せずに
直接肌に当てることが勧められます。
へその周囲に巻き尺が
水平に巻かれていることを確認し、
普通の呼吸で
息を吐いた終わりに
目盛りを読み取ります。
内臓脂肪の蓄積により
へその位置が下がっている場合は、
肋骨の下の縁と
上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)
骨盤の上の出っ張った部分の
中間の高さで測定しましょう。


メタボのその他の診断基準
メタボリックシンドロームの診断基準は
腹囲だけではありません。
腹囲に加えて
血清脂質、血圧、血糖のうち
二つ以上が基準値から外れていて
初めて
メタボリックシンドロームだと
診断されます。
へそ周りのサイズは
ウエスト周囲径といわれ、
健診において
腹囲の意味で使われます。

ここからは、
メタボリックシンドロームの基準のうち
腹囲以外の項目について
それぞれ見ていきます。
1、血清脂質
血清脂質とは
血液中の脂質のことです。
血清脂質のうち、
トリグリセリド
(中性脂肪)150 mg/dL以上
またはHDLコレステロール
40mg/dL未満の場合に
メタボリックシンドロームの基準に該当します。
血液中に存在する
コレステロールには、
肝臓のコレステロールを全身へ運ぶ
LDL(悪玉コレステロール)と
血管壁にたまったコレステロールを回収し
肝臓へ運ぶ
HDL(善玉コレステロール)があります。
両者のバランスが崩れ、
血液中のコレステロールが過剰になった状態を
脂質代謝異常といいます。
トリグリセリドや
HDLコレステロールの他、
LDLコレステロールの血中濃度が
異常値を示すと、
脂質代謝異常と診断されます。
脂質異常は
「動脈硬化」を進行させる
危険因子です。
※動脈硬化とは
本来、弾力性や柔軟性のある動脈が
厚みを増し
硬くなった状態のことです。
老化や高血圧、肥満、喫煙、
コレステロールなどが
発症や進行の要因といわれています。
LDLコレステロールは
メタボリックシンドロームの
診断基準ではないですが、
単独でも
動脈硬化の進行に大きく影響するため
注意が必要です。
2、血圧
メタボリックシンドロームの
診断基準において、
血圧の異常は
「収縮期血圧」が130mmHg以上
または「拡張期血圧」が85mmHg以上の場合に
該当します。
心臓が収縮し
血液が全身に送り出される際に
血管壁にかかる圧力が収縮期血圧で、
一般的に
「最高血圧」と呼ばれます。
一方、
再度血液を送るために心臓が
拡張したときに
血管壁にかかる圧力が拡張期血圧で
「最低血圧」ともいわれます。
メタボリックシンドロームの
血圧の基準は
高血圧の基準とは異なります。
高血圧診断基準では、
診察室での収縮期血圧が
(最大血圧)140mmHg以上、
または拡張期血圧(最小血圧)が
90mmHg以上の場合、
高血圧と定義されています。
自宅で測る血圧は
家庭血圧といわれ、
診察室での数値よりも
低い基準が用いられます。
家庭血圧で
高血圧と診断されるのは、
収縮期血圧が135mmHg以上、
または拡張期血圧が
85mmHg以上の場合です。
メタボリックシンドロームの
基準に該当しない場合でも、
高血圧は単独で
心臓疾患や脳卒中など
多くの病気の原因となります。
認知症の発症の要因ともいわれるため
注意が必要です。
3、血糖
メタボリックシンドロームの診断基準では、
空腹時の血糖値が
110mg/dL以上で高血糖と見なされます。
高血糖は
血糖値が高い状態のことです。
細胞は、
組織や臓器の活動のために
血液中のブドウ糖を取り込み
エネルギーに変換します。
ブドウ糖の取り込みには、
膵臓(すいぞう)から分泌される
インスリンというホルモンが必要で、
インスリンのはたらきが弱いと
高血糖を招きます。
高血糖の原因は、
過食や糖の過剰摂取、肥満、運動不足、
ストレス、遺伝、加齢などです。
高血糖が続くと
糖尿病を発症します。
糖尿病は
「網膜症」や「腎症」など、
重篤な病気の原因となることがあります。
網膜は
目の底にある薄い膜です。
高血糖が続くと
網膜の血管にも影響し
網膜症を発症します。
悪化すると
網膜出血や網膜はくりなどが起こり、
視力低下や失明につながる
場合があります。
また
血糖値の上昇は、
腎臓で老廃物のろ過を行う
糸球体のはたらきにも障害を起こし、
腎機能を低下させ
腎症を発症させる
要因となります。
また、高血糖と
癌や認知症には
関連性があるともわれているため、
注意が必要です。

メタボの健康上のリスク
メタボリックシンドロームは
動脈硬化を進行させ、
日本人の代表的な死因である
心臓病や脳卒中を引き起こす
恐れがある状態です。
動脈硬化が進行すると、
血管が狭まったり詰まったり
裂けたりしやすくなるため、
命にも関わる
さまざまな病気を引き起こします。
内臓脂肪の蓄積や血清脂質の異常、
高血圧、高血糖は
それぞれが動脈硬化の因子であり、
重なるほどに
心臓病や
脳卒中の危険性が高まるといわれています。
また、
内臓脂肪型肥満は
高血圧や高血糖、血清脂質の
異常を引き起こしやすくするといわれます。
そのため、
メタボリックシンドロームは
予防・改善が必要だとされているのです。

メタボを予防・改善するポイント
メタボリックシンドロームを
予防・改善するためには、
内臓脂肪をため過ぎないことが
重要です。
内臓脂肪は
皮下脂肪よりもつきやすい半面、
落ちやすいといわれます。
そのため、
食生活の改善や
運動を行うことで
比較的簡単に
減らすことができるのです。
ここからは、
メタボリックシンドロームを
予防・改善するためのポイントを
見ていきましょう。
ポイント1
エネルギー摂取量を適切に抑える
内臓脂肪の過度な蓄積を防ぐため、
食事の際は
エネルギー摂取量を
適切に抑えましょう。
食べ過ぎは
内臓脂肪の増加につながります。
内臓脂肪が増えると
高血圧や糖尿病、脂質代謝異常を招き、
動脈硬化を進行させる
原因となります。
メタボリックシンドロームの
予防・改善のためには
摂取エネルギーが過剰にならないように
注意しましょう。
適切なエネルギー摂取量は、
推定エネルギー必要量から
確認することができます。

身体活動レベルとは
次のように定義されています。

例えば、
会社へ通勤し
デスクワークに従事している
50歳の男性は
身体活動レベルⅡに該当するため、
推定エネルギー必要量は
2,600kcalです。
ご自分のエネルギー量を
適正に抑えるために、
参考にしてくださいね。
ポイント2
エネルギー産生栄養素バランスを意識する
エネルギー産生栄養素を
バランス良く摂ることも、
メタボリックシンドロームの予防や
改善には重要です。
エネルギー産生栄養素とは、
たんぱく質・脂質・炭水化物のことです。
これらは
ヒトにとってエネルギー源となる
必須の栄養素で、
日本人の食事摂取基準(2025年版)では
エネルギー産生栄養素バランスが
設定されています。
エネルギー産生栄養素は、
たんぱく質・脂質・炭水化物それぞれが
総エネルギー摂取量に占める割合を
示すもので、
各栄養素の欠乏予防や
生活習慣病の発症・重症化予防を
目的とするものです。

糖質や脂質を多く摂り過ぎると
高血糖や脂質異常症の
原因にもなります。
エネルギー産生栄養素バランスを参考にして、
特定の栄養素に
偏らないように注意してくださいね。
ポイント3
脂質の種類に注意する
摂取する
脂質の種類に注意することも、
メタボリックシンドロームの予防や
改善のために重要です。
脂質のうち
トリグリセリドは摂り過ぎると
肥満につながるため、
過剰に摂らないように
注意が必要です。
また、
コレステロールのバランスが崩れると
動脈硬化を進行させてしまいます。
そのため
LDLコレステロール値を下げ、
血液中の
余分なコレステロールを回収してくれる
HDLコレステロール値を上げることが
大切です。
トリグリセリド値を下げ、
HDLコレステロール値を上げるには
n-3系脂肪酸のEPAや
DHAを十分摂ることが勧められています。
脂質の一種である
n-3系脂肪酸は
ヒトの体内では合成できないため、
食事で摂取しなくてはならない
必須脂肪酸です。
n-3系脂肪酸は
α-リノレン酸・EPA・DHAに分類され、
EPAやDHAは、
魚に多く含まれることで知られています。
n-3系脂肪酸は
次のような食品に
多く含まれています。

n-3系脂肪酸は
身近な食品に多く含まれているので、
日頃から意識して
摂取するように心掛けましょう。
ポイント4
食物繊維を十分に摂る
食物繊維を十分に摂ることも
メタボリックシンドロームの予防や
改善のために有効です。
食物繊維には
脂質や糖、ナトリウム(食塩)を吸着して
体外へ排出するがあります。
そのため、
これらの摂り過ぎが原因で起こる
肥満や脂質異常症、高血圧、
糖尿病などの生活習慣病を予防・改善する
効果があるとされています。
食物繊維は
玄米や胚芽米、麦飯、全粒粉のパン、
そばなどの精製度の低い穀物に
多く含まれるため、
主食をこのようなものにすることで
たくさん摂ることができます。
その他、
海藻、きのこ、こんにゃく、豆類、
大豆加工品なども
食物繊維が豊富な食品です。
食物繊維は
現代の日本人にとって
不足しがちであるため、
意識的に摂るようにしたい栄養素ですね。
ポイント5
アルコールを控える
メタボリックシンドロームを
予防・改善するためには
アルコールを控えることも重要です。
アルコールの摂取が過剰になると、
中性脂肪が増加し
脂質異常症の発症につながります。
中性脂肪は
飲酒量が多くなるにつれて
増加するとされています。
アルコールは他にも
肥満や高血圧の原因となるため、
適度にとどめるようにしましょう。
ポイント6
ナトリウムの摂り過ぎに注意する
メタボリックシンドロームの予防や
改善のために、
ナトリウムの摂り過ぎにも注意しましょう。
ナトリウムは
必須ミネラルの一種で、
主に
食塩(塩化ナトリウム)の形で
体に取り込まれます。
ネラルとは、
生体を構成する元素のうち、
主要な酸素・炭素・水素・窒素
以外のもののことです。
このうち
栄養素として欠かせない16種類を
「必須ミネラル」といいます。
ナトリウムの摂り過ぎ
は血圧を上昇させ
高血圧を招きます。
日本人の食生活では
食塩が多く使われる傾向があります。
そのため
ナトリウムの摂取が過剰となり、
このことが
日本人に高血圧が多い
最大の原因といわれています。
日本人の食事摂取基準における
成人の
1日当たりのナトリウム摂取目標量は、
(食塩相当量)男性で7.5g未満、
女性で6.5g未満です。
※目標量とは
生活習慣病の発症予防を目的として、
現在の日本人が
当面の目標とすべき摂取量として
設定された基準です。
ただし、
高血圧の重症化予防のための
食塩相当量は、
男女ともに
6.0g未満とされています。
食塩相当量は
食品に含まれるナトリウムの量から、
そのナトリウムが全て食塩として
(塩化ナトリウム)含まれていた場合の
食塩の量を計算した値です。
ただし食品には
塩化ナトリウム以外の形で含まれる
ナトリウムも存在するため、
実際の食塩含有量と
一致するわけではありません。
普段から麺類の汁を残す、
必要以上に
調味料を使わないといった工夫で
減塩を行い、
高血圧の予防に努めましょう。
国立研究開発法人国立循環器病研究センター
「栄養に関する基礎知識」
ポイント7
カリウムを十分に摂る
メタボリックシンドロームの予防や
改善のためには、
カリウムを十分に摂ることが
おすすめです。
カリウムは
必須ミネラルの一種で、
ナトリウムを体外へ排出する
はたらきをします。
そのため、
カリウムを多く摂ることで
血圧を下げる効果が期待できます。
生活習慣病の予防のため、
WHO(世界保健機関)が推奨する
カリウムの摂取量は、
1日当たり3,510mgです。
しかし
日本人の摂取量は
これに遠く及ばないため、
厚生労働省は
1日当たり
成人男性に対し3,000mg以上、
成人女性に対し2,600mg以上の目標量を
設定しています。
カリウムは
野菜や果物、大豆製品などに
多く含まれます。
これらの食品を
積極的に取り入れて、
カリウムの目標量を確保しましょう。
ただし、
腎臓に病気がある場合は
カリウムの摂取が
制限されることがあるため、
主治医への相談が必要です。
ポイント8
有酸素運動を行う
有酸素運動を行うことは、
メタボリックシンドロームの予防や
改善のために効果的です。
※有酸素運動とは
筋肉の負荷が
比較的小さい運動のことです。
エネルギー源として
糖質や脂質と共に
酸素が消費されることから
このように呼ばれます。
ウォーキングやジョギング、サイクリング、
水泳などが該当します。
有酸素運動は
体内の糖質や脂質を燃料として
消費するため、
内臓脂肪の蓄積や脂質異常症の
予防・改善や
血糖値の安定に
効果が認められています。
また、
有酸素運動を行うことにより、
高血圧の改善が
期待できます。
運動で内臓脂肪を減らすためには、
1週間当たり
10「メッツ・時」以上の
有酸素運動が必要です。
※メッツとは
運動や身体活動の強度を表す
単位のことです。
安静時を1として、
その活動が
何倍のエネルギーを消費するかを
示しています。
メッツ・時は
運動のメッツと
実施時間を掛け合わせたものです。
例えば
3メッツの運動を
30分(0.5時間)行った場合は
1.5メッツ・時となります。
代表的な運動のメッツは
以下のとおりです。

まずは、ストレッチや
ウォーキングなど
手軽にできそうな運動から
始めてみるのも良いでしょう。
スポーツ庁
「身体活動のメッツ(METs)表」
横浜市保土ヶ谷区
「「メッツ」「メッツ・時」とは」

まとめ
メタボリックシンドロームの診断において、
腹囲は
内臓脂肪の蓄積を推定するための
基準です。
男性で85cm以上、
女性で90cm以上の場合に
内臓脂肪面積100平方センチメートルに
相当するとされ、
内臓脂肪が蓄積した状態と
診断されます。
腹囲を測定する際は、
おなかに力を入れず
息を吐ききったタイミングで
へその周囲を測ります。
メタボリックシンドロームの診断基準は
腹囲のみではありません。
腹囲に加えて
血清脂質、血圧、血糖のうち
二つ以上が基準から外れている場合、
メタボリックシンドロームと
診断されます。
それぞれの診断基準は、
血清脂質がトリグリセリド
(中性脂肪)150mg/dL以上かつ/または
HDLコレステロール 40mg/dL未満、
血圧が最高血圧 130mmHg 以上かつ/または
最低血圧 85mmHg 以上、
血糖が空腹時血糖値 110mg/dL 以上です。
メタボリックシンドロームは
動脈硬化を進行させ、
心臓病や脳卒中など命に関わる
さまざまな病気の原因になります。
内臓脂肪の蓄積や
血清脂質の異常、高血圧、高血糖は
それぞれが動脈硬化の因子で、
重なるほどに
こうした病気を引き起こすリスクを高めます。
さらに、
腹囲が大きくなる内臓脂肪型肥満は
高血圧や高血糖、
血清脂質の異常を
引き起こしやすくするといわれます。
そのため、
メタボリックシンドロームは
予防・改善が必要です。
メタボリックシンドロームの予防や
改善のためのポイントとして、
エネルギー摂取量を適切にすることや
エネルギー産生栄養素のバランスを整えること、
脂質の種類に気を付けることなどが
挙げられます。
さらに、
食物繊維やカリウムを十分に摂取することや、
ナトリウムの過剰摂取に気を付けること、
アルコールを控えたり
有酸素運動を行ったりすることも
効果的です。
この記事を参考にして
メタボリックシンドロームについて
理解を深めるとともに、
予防や改善を意識して
健康的に過ごしてくださいね。

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