動脈硬化って?原因や進行を防ぐポイント!

公開日:2026/02/20 / 最終更新日:2026/02/20
動脈硬化とは
動脈硬化とは
動脈の血管が厚く硬くなった状態です。
動脈は
心臓から送り出された酸素や
栄養素を全身に送る役割を果たしており、
健康であれば
弾力性や柔軟性に富んでいます。
しかし、加齢や高血圧、喫煙、
肥満などの
さまざまな因子が重なると
動脈の血管が厚く硬くなります。
このような血管はもろく
傷つきやすくなって破れたり、
詰まったりしやすくなってしまうのです。
こうした状況は、
命に関わるものを含む
さまざまな病気を全身に引き起こします。
また一命を取り留めることができたとしても、
重大な後遺症が残ってしまう
場合もあります。
動脈硬化は
初期段階ではほとんど自覚症状がなく
自分では気付きにくいため、
進行させないよう、
生活習慣に十分注意する
必要があるといえるでしょう。

動脈硬化の種類
動脈硬化には
- 「細動脈硬化」
- 「アテローム動脈硬化」
- 「メンケベルグ型硬化」
という三つの種類があります。
それぞれ原因やメカニズム、
発症しやすい部位が異なります。
ここからは
動脈硬化の種類とメカニズムを
一つずつ
詳しく解説していきましょう。
1、細動脈硬化
細動脈硬化は、
脳や腎臓の中の
細い血管が硬くなってしまう
動脈硬化の一種です。
主に
加齢や高血圧が原因で起こり、
進行すると
血管が破裂して出血を引き起こします。
高血圧の状態では
血管がいつも
張り詰めた状態に置かれるため、
次第に厚く
硬くなってしまうのです。
予防のためには、
高血圧の予防や改善が
重要となります。
2、アテローム動脈硬化
動脈硬化のなかでも
最も一般的かつ、
特に深刻だといわれているのが
アテローム動脈硬化です。
別名を
「粥状(じゅくじょう)動脈硬化」といいます。
アテローム動脈硬化は
心筋に血液を送る冠状動脈や、
体のなかで一番太い血管である
大動脈などを含む、
大型から中型の動脈に起こります。
心筋とは心臓の筋肉のことです。
心臓は主に
筋肉でできており、
心筋がポンプのように
縮んだり広がったりすることによって
全身に血液が送られています。
この心筋に必要な酸素や
栄養を送っているのが冠状動脈です。
アテローム動脈硬化は、
動脈の壁が繰り返し傷つけられ、
壁の中に主に脂肪でできた
「プラーク」が沈着することによって
発生します。
血管の内側は
「内皮」という層によって
覆われていますが、
さまざまな原因によって
内皮が傷つけられると、
その部分に
特定の種類の白血球を引き寄せる
化学物質が放出されます。
引き寄せられた白血球は
動脈の壁の中に侵入し、
そこでコレステロールなどの
脂肪性物質を内部に蓄える
「泡沫(ほうまつ)細胞」という
細胞に変化します。
※コレステロールとは
ヒトの体に存在する脂質の一種です。
生活習慣病の要因として知られているのは
たんぱく質などと結合し、
「リポタンパク質」と呼ばれる物質として
血中に溶け込んでいるコレステロールです。
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)と
HDLコレステロール(善玉コレステロール)に
大別されます。
これにより
本来は内皮の下にある平滑筋細胞が増殖し、
脂肪性の物質を取り込んだ
泡沫細胞などと共に
蓄積していきます。
こうして
どろどろしたかゆ状の
「プラーク(アテローム)」がつくられ、
まだら状に
蓄積していきます。
プラークの一部は
動脈の壁を分厚くして内側に突出し、
血管を狭くしてしまいます。
またその他に、
破裂して血管をふさぐ
「血栓」となる場合もあります。
アテローム動脈硬化は
心臓や脳などの
太く重要な役割を持つ動脈に起こるため、
命に関わる病気を引き起こしやすい
傾向にあり、
動脈硬化のなかでも
特に
注意が必要です。
3、メンケベルグ型硬化
動脈の壁は外膜、中膜、内膜の
3層に分けられます。
このうち、動脈の収縮や拡張などに関わる
中膜にカルシウムがたまり、
硬くなってしまうのが
メンケベルグ型硬化(中膜硬化)です。
中膜は
外膜や内膜に比べ
分厚く弾力があり、
心臓から送り出される血液による
強い圧に耐えなければならない動脈においては
非常に重要な
役割を果たしています。
しかし喫煙やストレス、高血圧、
腎臓の機能が低下し
老廃物の排せつが不十分になる
「腎不全」などによって
カルシウムの代謝異常が起こると、
血管に
カルシウムが沈着してしまうのです。
これにより動脈は
しなやかさを失い、
血管の壁が硬くもろくなるために
破れてしまうこともあります。
メンケベルグ型硬化は
体の中で最も太い大動脈や、
下肢(脚)・首の動脈に起こりやすいと
されています。
代謝とは、
体内に蓄えたり、
消化器官から吸収したりした栄養素を
エネルギーや生命の維持に必要な
物質へ変える作用のことです。

動脈硬化の進行が招く主な病気
動脈硬化は、
放置していると進行し
命に関わる重大な病気の原因となります。
ここからは、
動脈硬化によって引き起こされる
主な病気をご紹介しましょう。
1、細動脈硬化によって引き起こされる病気
細動脈硬化では、
主に
脳や腎臓の細い動脈が
硬くなってしまいます。
そのため細動脈硬化が進行すると
血管が破裂して
脳出血に至ったり、
腎臓に障害を来す
腎硬化症を引き起こしたりする
場合があります。
脳出血とは
脳の細い血管が裂け、
脳の組織の中に出血してしまう病気です。
出血した血液は
「血腫」という塊になり、
周囲の脳組織を圧迫したり、
脳細胞を破壊したりするため
脳のはたらきに異常を来します。
また腎硬化症は、
腎臓の中の「糸球体」という部分の
血管が細くなり、
硬くなってしまう病気です。
腎臓の中で血液をろ過し、
老廃物を除去するはたらきをする
「糸球体」は
毛細血管が糸玉のように丸まった
組織です。
しかし糸球体が硬くなってしまうと、
腎臓の老廃物をろ過するはたらきが低下し、
慢性腎不全に進行する
場合もあります。
慢性腎不全とは
腎臓のろ過機能が低下することにより、
体内の正常な環境を
維持できなくなる病気で、
場合によっては、
腎臓のはたらきを補う
「透析」という処置や、
腎移植を必要とします。
透析(人工透析)には
「血液透析」と「腹膜透析」の
2種類があります。
血液透析は
腎臓の代わりとなる
人工腎臓のフィルターを通じて
血液から老廃物や
余分な水分を取り除く治療です。
1回の処置に3~5時間かかり、
週3回通院を行う必要があります。
腹膜透析は内臓を包む
「腹膜」という膜の毛細血管と
腹腔(ふくくう)という
おなかの中の空間に透析液を注入し、
それを解して老廃物や
余分な水分を取り除く治療です。
患者自身が
処置を行うことが可能なため
通院の頻度は高くありませんが、
治療開始前に
透析用の管を腹腔内に入れる手術を行い、
透析液の交換を
通常1日に4回、
1回当たり
約30分かけて行う必要があります。
2、アテローム動脈硬化によって引き起こされる病気
アテローム動脈硬化は
狭心症や心筋梗塞などの
「虚血性心疾患」を引き起こします。
狭心症は
動脈硬化によって
心筋に血液を送る冠状動脈が細くなり、
血流が悪くなった状態です。
血液は
全身の器官に酸素を供給しているため、
血液が流れにくくなると、
十分な酸素を
届けることができなくなります。
そのため心筋が
一時的に酸素不足に陥り、
胸の痛みや動悸(どうき)、
息苦しさなどの症状が現れます。
また狭心症が進行すると
心筋梗塞が引き起こされます。
心筋梗塞とは
冠状動脈がふさがれ、
心筋への血液供給が絶たれるため
心筋細胞の壊死が起こる病気です。
一度壊死した細胞が
元に戻ることはないので
処置は一刻を争い、
放置していると
死に至ることもあります。
狭心症や心筋梗塞など、
心筋に血液を送る冠状動脈が
狭くなったりふさがったりすることで
心筋が
酸素不足に陥る状態のことをまとめて
虚血性心疾患と呼びます。
また、アテローム動脈硬化は
脳梗塞の原因にもなります。
脳梗塞は
心筋梗塞と同様、
脳の動脈がふさがり、
血液による
酸素の供給が絶たれてしまうことで
脳の壊死が引き起こされる
病気です。
命を取り留めることができても、
手足にまひが起こったり、
ろれつが回らなかったり、
視野が欠けたりと
さまざまな後遺症をもたらす
場合があります。
このように
重大な病気の原因となるため、
アテローム動脈硬化は
動脈硬化のなかでもとりわけ
問題視されているのです。
3、メンケベルグ型硬化によって引き起こされる病気
メンケベルグ型硬化では、
血管の内側が狭くなることはありませんが、
血管の弾力性が失われるため、
動脈瘤(りゅう)や動脈解離などの
心臓や
血管の病気が引き起こされやすくなると
いわれています。
中膜の硬化は
細動脈硬化によっても起こるため、
細動脈硬化が原因となって
これらの病気が引き起こされる
場合もあります。
特に、大動脈に起こる大動脈瘤と
大動脈解離は
命を脅かすこともある
重大な病気です。
大動脈は
心臓と直接つながっており、
全身へ向かう血液が最初に通る
人体で最も太い血管です。
大動脈瘤はこの大動脈に
こぶ状の膨らみができる病気で、
気付かないまま放置していると
破裂して体内で
大量の出血を引き起こし、
命を危険にさらします。
また大動脈解離は、
大動脈の中膜が裂け、
本来は血管の壁である部分に
血液が流れ込んで
二つの血の通り道ができてしまう
病気です。
血管が裂けているために
破裂しやすい状態にあり、
胸や背中に激痛を生じます。
いずれも
一刻も早い治療が必要となるので、
迷わず
救急車を呼ぶことが必要です。

動脈硬化の主な原因
「動脈硬化は何が原因で起こるの?」
このように気になっている方も
多くいらっしゃるのではないでしょうか。
動脈硬化の原因を知っておくことで、
予防にも活かせると
考えられますよね。
動脈硬化の主な原因として挙げられるのは、
LDLコレステロールの増加や
高血圧、高血糖、肥満、喫煙、
アルコールの過剰摂取などです。
生活習慣が関係しているので、
原因を知って対策しておくことで
進行を防げると
考えられるでしょう。
ここからは、
動脈硬化の主な原因を
ご紹介します。


1、LDLコレステロールの増加
LDLコレステロールの増加は、
アテローム動脈硬化の原因となります。
※LDLコレステロールとは
コレステロールの一種で、
肝臓でつくられたコレステロールを
全身に運ぶはたらきをしています。
コレステロールを
体にため込むはたらきを持つため、
「悪玉コレステロール」と呼ばれます。
LDLコレステロールは増え過ぎると
動脈の内皮を傷つける原因となる上、
プラークの材料となって
血管を狭めてしまうのです。
なお、LDLコレステロールの増加は、
脂質の一種である
「飽和脂肪酸」や
工業的な「トランス脂肪酸」、
コレステロールの摂り過ぎが原因だと
いわれています。
飽和脂肪酸は
肉などの動物性の脂質に
多く含まれる脂肪(脂質)の構成要素です。
トランス脂肪酸は
不飽和脂肪酸の一種で、
マーガリンの製造など
液状の油を固形油に変える過程で
二次的にできる
工業由来のものと、
牛などの反すう動物の胃で
微生物によって生成されるものに
分けられます。
脂質のなかでも、
これらの過剰摂取は
LDLコレステロールを増加させることが
分かっているのです。
LDLコレステロールの血中濃度が
140mg/dL以上の場合には、
「脂質異常症」の一種、
「高LDLコレステロール血症」に該当します。
脂質異常症の診断基準には
LDLコレステロールの他に
HDLコレステロール、トリグリセリド(中性脂肪)
などがあります。
HDLコレステロールは
増え過ぎたコレステロールを回収するため、
動脈硬化を抑制する
はたらきがあるといわれており、
血中濃度が低過ぎると
「低HDLコレステロール血症」となります。
またトリグリセリドは
LDLコレステロールをより悪玉化し、
HDLコレステロールを減らしてしまうため、
血中濃度が高過ぎる状態を
「高トリグリセリド血症」といいます。
高LDLコレステロール血症を
予防・改善するためには、
他の血液中の脂質にも
注意すべきであると
いえるかもしれませんね。
厚生労働省e-ヘルスネット
「脂質異常症」

2、高血圧
高血圧は
細動脈硬化の原因となります。
また高血圧は
動脈壁を傷つける要因にもなり、
アテローム動脈硬化の
危険因子にもなります。
血圧とは
心臓から送り出された血液が
動脈の内壁を押す力のことで、
通常血圧という場合には
上腕の動脈にかかる圧力のことを
指します。
いわゆる
「上の血圧」と呼ばれるのは
心臓が血液を送り出すために収縮して
血圧が最高に達したときの値
「最高血圧(収縮期血圧)」で、
「下の血圧」と呼ばれるのは
心臓が拡張して
血圧が最低になったときの値
「最低血圧(拡張期血圧)」です。
診察室で測った場合の
血圧の基準値は以下のとおりです。

厚生労働省 e-ヘルスネット
「高血圧」
家庭で測定する場合には、
診察室で測定するよりも
5mmHg低い値が基準になります。
すなわち、
最高血圧115mmHg以下、
最低血圧75mmHg以下が正常血圧です。
また最高血圧135mmHg以上、
または最低血圧が85mmHg以上の場合には
高血圧と診断されます。
血圧は常に変動しており、
日中に高く、
夜間から朝にかけては低くなる
傾向にあります。
高血圧に該当するのは
一時的に血圧が高い場合ではなく、
繰り返し測定しても
血圧が正常よりも高い場合です。
血圧が気になる場合には
家庭でも血圧を測り、
ご自身の血圧を把握することが
重要だといえるでしょう。
高血圧の治療の基本には、
食生活の改善と
定期的な運動、
服薬治療があります。
日本人の高血圧の最大の原因は
食塩の摂り過ぎであるといわれており、
食生活において特に
重視されているのが減塩です。
食塩(塩化ナトリウム)の
主成分の一つであるナトリウムには
血圧を上昇させる作用があります。
ナトリウムを摂り過ぎると
体は高まった血中のナトリウム濃度を下げ
元に戻そうとして
血液量を増やすため、
血液が血管の壁を押す力が強まる、
つまり血圧が上昇するのです。
また近年では
若年や中年の男性を中心に
肥満が原因の
高血圧も増えています。
ご自身に合った
適切な治療が必要となるので、
血圧が高めの場合には
医師に相談しましょう。

3、高血糖
高血糖も動脈の内皮を傷つけ、
動脈硬化の一因となります。
高血糖とは、
血糖値が高い状態のことです。
※血糖値とは
血液中のブドウ糖濃度のことです。
ブドウ糖は
ヒトの体のエネルギーとなる
炭水化物(糖質)の一種で、
脳がエネルギーとして利用できる
ほとんど唯一の物質です。
膵臓(すいぞう)から分泌される
インスリンというホルモンによって
コントロールされています。
食べ物の消化吸収によって
血糖値が上昇すると、
膵臓からインスリンが分泌され、
血中に溶け込んだブドウ糖を
細胞にエネルギーとして使わせたり、
中性脂肪に変える
はたらきを促進したりすることで
血糖値が下げられます。
インスリンは
ヒトの体内で血糖値を下げる
はたらきをする
唯一のホルモンです。
しかし
一度にたくさんの糖質を摂取すると
血糖値上昇に反応して
分泌されるインスリンの分泌量も
増加してしまいます。
また肥満や
メタボリックシンドロームの状態では
インスリンが効きづらくなり、
さらに
インスリンの必要量が増えてしまいます。
膵臓の機能が低下して
インスリンを十分につくれなくなったり、
インスリンが分泌されているにもかかわらず
十分な効果を
発揮できなくなったりすることで、
血糖値が高い状態になってしまうのが
糖尿病です。
特定健診では
空腹時血糖が100mg/dL以上の場合に
特定保健指導の対象となることがあります。
特定健診とは、
40~74歳の方を対象とし、
メタボリックシンドロームに着目して
生活習慣病予防を目的に行われる
健診のことです。
生活習慣の改善によって
生活習慣病の
高い予防効果が期待できる方には、
保健師や管理栄養士などが
生活習慣改善のサポートに当たる
特定保健指導が実施されます。
また、空腹時血糖が正常であっても、
食後に血糖値が上昇しやすい
「食後高血糖」は特に
動脈硬化のリスクを高めやすい
といわれています。
空腹時血糖が
100mg/dL以上の場合には
食後高血糖があると推定されるため、
メタボリックシンドロームの診断基準においては
110mg/dL以上という
高血糖の基準が設けられています。
公益財団法人東京都予防医学協会
「特定健康診査・特定保健指導」
厚生労働省
「特定健診・特定保健指導について」

4、肥満
肥満、特に「内臓脂肪型肥満」は
動脈硬化の発症と
深い関係があるといわれています。
※内臓脂肪型肥満とは
肥満の一種で、
腸の周りに脂肪が蓄積している状態のことを
指します。
下半身よりも
ウエストの周囲が大きくなる
特徴があります。
肥満は
内臓脂肪型肥満と
下半身の皮下組織に脂肪がつきやすい
皮下脂肪型肥満に分かれ、
前者は男性に多いのに対し、
後者は女性に多い傾向にあります。
内臓脂肪型肥満は
メタボリックシンドロームの
概念の基盤でもあります。
メタボリックシンドロームとは
内臓脂肪型肥満に加え、
血圧・血糖・血中脂質の三つのうち
二つ以上が
基準値から外れた状態のことです。
内臓脂肪型肥満と
高血圧、高血糖、脂質異常症などは
いずれも一つだけでも
動脈硬化を進行させますが、
それぞれの程度は軽くても
重なればそれだけ
動脈硬化が進行し
心臓病や脳卒中などの
重篤な病気の危険性が高まることが
分かっています。
そのため動脈硬化の予防には
メタボリックシンドロームの
予防・改善が重要となるのです。
内臓脂肪が過剰になると
体内の糖や
脂質の代謝に関わる物質をつくり出し、
体の機能を調節している
脂肪細胞のはたらきに
異常を来します。
これにより、
LDLコレステロールが増加したり、
インスリンの効きが悪くなって
血糖値が高くなったり、
高血圧が生じたりすると
いわれています。
このため、
内臓脂肪の蓄積を放置していると、
動脈硬化が
進行してしまうのです。

5、喫煙
喫煙も
動脈硬化を進行させる
要因の一つです。
喫煙の習慣は、
HDLコレステロールを減らすと同時に
LDLコレステロールを増加させ、
脂質異常症を促進させることが
分かっています。
LDLコレステロールの増加は
アテローム動脈硬化の
大きな原因の一つです。
また、たばこに含まれるニコチンは
「交感神経」を刺激して
血圧の上昇を引き起こします。
※交感神経とは
意思に関係なく
体の機能を調節する「自律神経」のうち、
緊張しているときや
体を活発に動かしているときに
優位になる神経のことです。
自律神経は
相反するはたらきをする交感神経と
「副交感神経」に分かれ、
副交感神経は
リラックスしているときに優位になります。
交感神経が優位な状態では、
心拍数の増加や血圧の上昇、
心筋の収縮などが起こります。
その他にも
たばこに含まれる一酸化炭素や
活性酸素は、
血管の内皮を傷つけたり、
血栓をつくったり、
インスリンを効きにくくしたりするため、
動脈硬化のリスクを高めます。
なお喫煙者が
虚血性心疾患になるリスクは
男女ともに
非喫煙者の約3倍、
心筋梗塞では
約4倍にも上ることが分かっていますが、
禁煙により
血栓をできにくくし、
そのリスクを下げられるとも
いわれています。
喫煙の本数が多く、
期間が長い方ほど
動脈硬化は
進行しやすいといわれているので、
喫煙の習慣がある方は
速やかに禁煙を行いましょう。
国立循環器病研究センター
「喫煙が与える循環器疾患の影響」

6、過度な飲酒
お酒の飲み過ぎも
動脈硬化の進行を招くと考えられます。
脂質異常症や
高血圧、高血糖など
動脈硬化の要因となる要素と、
アルコールの摂取には
それぞれ因果関係があります。
それぞれの関係を簡単に
ご説明しましょう。
アルコールの過剰摂取は
トリグリセリドを増加させます。
トリグリセリドが増加すると
LDLコレステロールを
より悪玉化させ、
HDLコレステロールを減らしてしまいます。
アルコールには
HDLコレステロールを増加させる
作用もありますが、
HDLコレステロールは
多ければ多いほど良いというわけではなく、
HDLコレステロールも増え過ぎると
虚血性心疾患を招くことがあるので
要注意です。
また
お酒を飲むと血管が拡張するため、
一時的には
血圧は低下します。
しかし
長期間お酒を飲み続けたり、
飲酒量が多くなったりすると
高血圧になるリスクは
上昇するといわれています。
お酒を飲むときには
塩分の多いおつまみを
食べてしまいがちなので、
それも血圧を上昇させる
原因になります。
適切な飲酒は
糖尿病を予防する
可能性があると考えられていますが、
飲み過ぎは
高血糖の原因にもなります。
肝臓に脂肪が蓄積したり、
膵臓からのインスリン分泌が
抑えられたりすることと関係して
血糖値が上昇すると
考えられているのです。
また
飲み過ぎや食べ過ぎによる
カロリー過多は
血糖値上昇の直接的な
原因になります。
さらにアルコールは
肥満の原因にもなり得ます。
アルコールは
1g当たり7kcalと高カロリーです。
アルコールの食欲増進作用によって
つい食べ過ぎてしまうことや、
おつまみには
脂っこいものが多いことも
体重増加の原因となるでしょう。
カロリーは
ヒトが食べ物などから摂取し、
体を動かしたり
生命を維持したりするのに使う
エネルギーの単位です。
1cal(カロリー)は非常に小さいため、
通常はその1,000倍である
1kcal(キロカロリー)が
最小単位として用いられます。
このようにアルコールは
動脈硬化の要因と関わっているので、
お酒は適量にとどめるよう
心掛けましょう。
厚生労働省 e-ヘルスネット
「アルコールとメタボリックシンドローム」

動脈硬化を予防するためのポイント
「動脈硬化を予防するためにはどうしたら良いんだろう?」
という点が
一番気になるところですよね。
生活習慣の改善により、
動脈硬化は
予防できるものと考えられます。
ここからは、
動脈硬化を予防するためのポイントを
ご紹介しましょう。


ポイント1
摂取カロリーを適切に制限する
動脈硬化の原因となる
LDLコレステロールを減らすためには、
体重を適正にすることが
重要です。
また肥満も
動脈硬化の一因となるため、
改善が欠かせません。
ダイエットの基本は、
消費カロリーよりも
摂取カロリーを小さくすることにあります。
厚生労働省の発表する
1日当たりの推定エネルギー必要量
(必要カロリー)は以下のとおりです。

※身体活動レベルとは
必要カロリーの計算に用いる、
どれくらい体を動かしているかを表す指標です。
生活のほとんどを座って過ごし、
あまり体を動かす機会がない場合は
「低い(Ⅰ)」に分類されます。
座った状態で過ごすことが多いものの、
徒歩移動や
立った状態での作業・接客、
家事や軽いスポーツなどを行う場合には
「普通(Ⅱ)」に当たります。
また徒歩での移動や
立った状態での作業が多い仕事に
従事している場合や、
余暇にスポーツなどの
活発な運動を行う習慣がある場合には
「高い(Ⅲ)」に該当します。
必要以上のカロリーを摂っている方は、
上記の表を参考に
摂取カロリーを適切に制限しましょう。

ポイント2
脂質の摂取量を適切に制限する
脂質のなかでも、
特に飽和脂肪酸、工業的なトランス脂肪酸、
コレステロールの摂り過ぎは
LDLコレステロールを増やす
原因となります。
飽和脂肪酸は肉類の脂身や
ラード、バター、乳脂肪、
ココナッツミルクなどに多く含まれます。
また
トランス脂肪酸は
植物油などから
マーガリンや
ショートニングを製造する際などに
生じます。
コレステロールが多く含まれるのは、
卵黄や魚卵、あん肝、
うずらの卵、レバーなどです。
これらを中心に、
脂質の摂取量を
適切に控えるよう心掛けましょう。
厚生労働省は成人男女に対し、
脂質から摂取するカロリーを
1日の総摂取カロリーの
20~30%にとどめるという目標量を
設定しています。
同様に、
飽和脂肪酸から摂取するカロリーを
総摂取カロリーの
7%以下にするという目標量も
設定しています。
「じゃあどんな脂質なら摂っても良いの?」
と疑問に思った方も
いらっしゃるかもしれませんね。
LDLコレステロールの改善のためには
「不飽和脂肪酸」を過不足なく
摂取することが勧められます。
※不飽和脂肪酸とは
脂肪の構成要素である脂肪酸のうち、
植物や魚の油に多く含まれるもので、
一価不飽和脂肪酸と
多価不飽和脂肪酸に分けられます。
多価不飽和脂肪酸はさらに
n-6系脂肪酸とn-3系脂肪酸に分けられ、
n-3系脂肪酸には
「α-リノレン酸」や「DHA(ドコサヘキサエン酸)」、
「EPA(エイコサペンタエン酸)」が含まれます。
オリーブオイルに多く含まれる
一価不飽和脂肪酸の一種「オレイン酸」や、
あじ・さんまなどの青魚に含まれる
DHA・EPAなどには
LDLコレステロールを減らす効果が
認められています。
n-6系脂肪酸の
1日当たりの摂取目安量は
成人男性で8~11g、
成人女性で7~8gです。
まずは脂身の多い肉を避け、
1日に青魚を1切れ程度食べるよう
食生活を改めることから
始めてみましょう。
多価不飽和脂肪酸は
体内で十分につくることができないため
食べ物などから摂取する必要のある
「必須脂肪酸」に当たります。
厚生労働省 e-ヘルスネット
「脂質異常症(実践・応用)」

ポイント3
食物繊維を摂取する
食物繊維を摂取することも、
動脈硬化の要因を予防するのに
有効であると考えられます。
※食物繊維とは
食べ物に含まれる
ヒトの消化酵素では消化することのできない
物質の総称です。
消化・吸収されずに
大腸に達するため、
便の材料となり便秘を予防する他、
腸内の善玉菌の餌となって
増殖させるはたらきがあります。
おなかの調子を整えることで知られる
食物繊維には、
脂質・糖質・ナトリウムなどを吸着して
体外に排出する作用もあります。
そのため
これらが原因となって引き起こされる
肥満や脂質異常症、高血糖、
高血圧などを予防・改善する効果が
期待できるのです。
食物繊維は
植物性食品に多く含まれます。
豆類、野菜類、果実類、きのこ類、
海藻類などを積極的に摂取しましょう。
また主食を玄米や麦ご飯、胚芽米ご飯、
全粒小麦パンなどに置き換えることでも
食物繊維の摂取量を
増やすことができますよ。
食物繊維の理想的な摂取量は
1日当たり24g以上といわれていますが、
日本人の食物繊維の摂取量は
これに遠く及びません。
よって厚生労働省は
日本人の摂取量の中央値と
24gの中間値に基づき、
成人男性に対して1日当たり20~21g以上、
成人女性に対して17~18g以上という
摂取目標量を定めています。
少しでも多くの
食物繊維を摂取するよう心掛けましょう。

ポイント4
減塩を行う
日本において、
高血圧の最大の原因といわれているのが
塩分の摂り過ぎです。
減塩を行い、
ナトリウムの摂取量を減らすことで
高血圧を予防・改善し、
動脈硬化のリスクを小さくする
効果が期待できます。
高血圧の予防や
治療のためには
1日当たりの食塩摂取量を
6g未満とすることが望ましいと
されています。
ラーメンなどの麺類の汁を
全て飲んでしまうと
それだけで6g近い塩分を
摂ってしまう場合もあるので、
日頃の食事に気を遣う
必要があるといえるでしょう。
しょうゆやソースを
食べ物にかける習慣のある方は、
小皿に分けてつけるようにするだけで
減塩につながります。
また
漬物やみそ汁の食べ過ぎには注意し、
みそ汁を作るときには
具だくさんにするなど
食材の風味を活かした調理を心掛けましょう。
酢やケチャップ、マヨネーズ、
ドレッシングなどの
塩分の少ない調味料や、
香辛料、香味野菜、
レモンなどの果汁を活用することも
おすすめです。
ちょっとした工夫で
塩分摂取量を減らせるので、
ぜひ試してみてくださいね。
※カリウムとは
人体に必要なミネラルの一種で、
細胞内液の浸透圧を調節する
作用があります。
また体液のpHバランスを保ち、
神経の興奮性や
筋肉の収縮にも関わっています。
カリウムは
尿へのナトリウム排せつを促し、
血圧を低下させる
はたらきがあるとされています。
世界保健機関(WHO)は
高血圧やそれに伴う心臓や
血管の病気のリスクを減らすために
食事からのカリウム摂取量を増やすことを
強く推奨しており、
1日当たり
3,510mgのカリウム摂取を勧めています。
しかし日本人のカリウム摂取量は
この目標より
かなり少ないため、
摂取量の中央値と
3,510mgの中間値をもとに、
成人男性に対して1日当たり3,000mg以上、
成人女性に対して2,600mg以上という
目標値を設定しています。
カリウムは
野菜や果物、海藻類、いも類、
豆類などに多く含まれている傾向にあるので、
こうした食材を
多く取り入れるよう心掛けましょう。
カリウムは
水に溶け出す性質があるので、
食材を煮たりゆでたりするのは避け、
生のまま食べるか、
電子レンジで加熱したり
蒸したりして
食べるのが良いでしょう。
腎機能が低下すると
カリウムを排せつする機能が衰え、
血中のカリウム濃度が上昇します。
カリウムの血中濃度が高い状態は
不整脈を生じ、
最悪の場合には
心停止を招くため、
腎機能に問題のある方は
カリウムを制限する必要があります。
腎臓に持病のある方は
必ず医師に相談してください。
厚生労働省 e-ヘルスネット
「高血圧」

ポイント5
適度な有酸素運動を行う
適度な有酸素運動を行い、
体を動かす機会を増やすことも
動脈硬化の予防には
効果的だと考えられます。
※有酸素運動とは
筋肉への負荷が比較的小さい
運動のことです。
筋肉を動かすエネルギー源として
体内の脂肪や血糖を
酸素と共に使うことから
有酸素運動と呼ばれています。
ウォーキングやジョギング、サイクリング、
エアロビクスダンス、水泳などが該当します。
有酸素運動は
体内の脂肪や血糖を
エネルギー源として消費するため、
脂質異常症や糖尿病、
高血圧の改善効果が認められているのです。
脂質異常症の改善のためには、
中強度以上の有酸素運動を中心に、
毎日合計30分以上を目標として
少なくとも週3日、
定期的な運動を行うことが
勧められています。
30分続けて運動を行う必要はなく、
10分の運動を
3回行うなど、分けても構いません。
なお、「中強度」とは
通常速度のウォーキングに相当する強度の
運動であり、
通常の歩行あるいは
それ以上のきつさの運動を行うことが
推奨されているということです。
糖尿病の運動療法としては、
週に3日以上、
ややきついと感じられる
中強度の有酸素運動を
1回当たり20分以上続けて行うことが
勧められています。
週当たりの運動時間は
合計150分以上が目標です。
また週に
2~3回のレジスタンス運動を行うことも
推奨されています。
※レジスタンス運動とは
標的とする筋肉に
抵抗(レジスタンス)をかける動作を
繰り返し行う運動のことです。
スクワットや腕立て伏せ、
ダンベル運動などの筋力トレーニング(筋トレ)は
レジスタンス運動に該当します。
自重を用いて行うものと
ダンベルや
マシンを用いて行うものに分けられます。
高血圧の改善には、
「ややきつい」と感じられる
中強度の有酸素運動を定期的に、
できれば毎日行うことが
推奨されています。
1回当たりの運動は10分以上、
合計して
1日当たり40分以上になるよう行うことが
勧められています。
細かな条件は
少しずつ異なりますが、
有酸素運動を習慣的に行うことで
さまざまな生活習慣病を
予防・改善できるのですね。
原因となる疾患をしっかり
予防・改善しておくことで、
動脈硬化の
予防にもつながるといえるでしょう。
なお、これまで運動の習慣がなく
いきなり運動を始めるのは難しいという方は、
掃除や洗車を行ったり、
子どもと遊んだり、
自転車で買い物に行ったりと
生活のなかで
体を動かす機会を増やすことから
始めるのがおすすめです。
また運動を始める前には
虚血性心疾患など
運動によって体に負担のかかる
持病がないことをしっかり確認し、
体を動かす前に
準備運動を行うようにしてください。
厚生労働省 e-ヘルスネット
「脂質異常症を改善するための運動」
厚生労働省 e-ヘルスネット
「糖尿病を改善するための運動」
厚生労働省 e-ヘルスネット
「高血圧症を改善するための運動」

ポイント6
禁煙を行う
動脈硬化予防のためには
禁煙も重要だと考えられます。
たばこに含まれる有害物質は
血圧を上昇させ、
血管の内皮を傷つけたり、
血栓をつくったりします。
また
インスリンを効きにくくしたり、
脂質異常症の発症を促したりするとも
いわれています。
長年たばこを吸っていて
今更禁煙しても
意味がないのではないかと疑っている方も
いらっしゃるかもしれません。
もちろん禁煙の効果は
若いほど大きくなりますが、
長年喫煙をした後でも
遅過ぎるということはありません。
50歳で禁煙しても
余命が
6年長くなることが分かっているのです。
禁煙の効果は
直後から現れます。
最後にたばこを吸ってから
20分後には
喫煙により上昇していた血圧や
脈拍が正常に戻ります。
また24時間後には
心臓発作のリスクが低くなると
いわれています。
さらに
2週間~3カ月で
心臓や血管などの循環機能の改善が
見られます。
禁煙を続けて2~4年たつと、
虚血性心疾患のリスクが
喫煙を続けていた場合に比べ
35%低下し、
脳梗塞のリスクも
著しく小さくなります。
10~15年後には、
さまざまな病気にかかるリスクが
非喫煙者と同じレベルまで
小さくなります。
禁煙には
心臓や血管の病気のリスクを
小さくするだけでなく、
味覚や嗅覚を改善したり、
呼吸器症状を改善したりする
効果もあります。
たばこを吸っているという方は
ご自身のためだけでなく、
あなたを心配してくれる周りの方のためにも
禁煙に努めましょう。
なお、たばこに含まれるニコチンには
依存性があるため、
ご自身の意思だけで
禁煙を行うことは難しい場合もあるでしょう。
必要に応じて
ニコチンガムやニコチンパッチなどの
禁煙補助グッズの利用や、
禁煙治療を受けられる
禁煙外来の受診を検討しましょう。
所定の基準を満たしていれば、
保険適用で
禁煙治療を受けられます。
厚生労働省 e-ヘルスネット
「禁煙の効果」

ポイント7
節酒を行う
飲酒量を適切に控えることも
動脈硬化の予防には
有効だといえるでしょう。
飲み過ぎは
トリグリセリドの増加を招きます。
また
少量のアルコールは
一時的には血圧を低下させますが、
長期にわたる飲酒は
高血圧のリスクを上昇させます。
さらに飲み過ぎは
高血糖や
肥満の要因にもなり得ます。
お酒は適量であれば
体に良い効果も期待できますが、
度を超えた飲酒は
さまざまな生活習慣病の発症に関わるので、
飲み過ぎは避けるようにしましょう。
「1日にどれくらいの量なら飲んでも良いの?」
というのが
気になるところですよね。
アルコールが心身に及ぼす影響は
飲んだお酒の量ではなく、
そのお酒の
純アルコール量によります。
※純アルコール量とは
そのお酒に含まれるアルコールの量で、
通常はgで表されます。
お酒の純アルコール量は
酒の量(mL)×度数(%)/100×アルコールの比重(0.8)で
計算できます。
厚生労働省は
純アルコールで約20g程度を
「節度ある適度な飲酒」としています。
代表的なお酒の純アルコール量
20g相当の量は
以下の図のとおりです。

公益社団法人 アルコール健康医学協会
「お酒と健康 飲酒の基礎知識」
ただしアルコールの分解能力は
個人によって異なり、
アルコールに弱い体質の方は
これよりも少ない量が適切だと考えられます。
また
同じ量のお酒を飲んでも
体重が軽いほど
血中の
アルコール濃度が高くなってしまうので、
一般に男性より
体重の軽い女性は
飲酒量を減らした方が良いものと
考えられます。
お酒を飲むときには
純アルコール量で約20gを目安として、
ご自分の体質に合った量を
飲むように心掛けましょう。
また
お酒を飲まない休肝日を設けることも
重要だと考えられますよ。
厚生労働省 e-ヘルスネット
「飲酒量の単位」
厚生労働省
「健康日本21 アルコール」

動脈硬化の検査項目や診断方法
「動脈硬化かどうかは、どうやって診断するの?」
このように疑問に思っている方も
いらっしゃるかもしれませんね。
動脈硬化には、
血圧や脂質異常症、
血糖のように正常と異常を切り分ける
明確な数値があるわけではありません。
動脈硬化の診断には、
血圧やコレステロール値、
中性脂肪値、血糖値、尿酸値、
脈波などのチェックが行われます。
脈波とは、
心臓から血液が送り出されたときに
血管に伝わる波動と、
その反射で生じる波動のことです。
脈波を調べることで
血管の硬さや細さなど、
動脈の状態を
詳しく調べることができます。
脈波を調べる検査は
「PWV検査」と呼ばれます。
尿酸値とは、
血中の「尿酸」という成分の
濃度を表す数値です。
7.0mg/dLを超えると
高尿酸血症だと診断されます。
高尿酸血症は
痛風や尿路結石などの原因となり、
肥満や高血圧、脂質異常症、
高血糖などを合併しやすいことで
知られています。
これらのチェックに加え、
肥満度や喫煙歴なども鑑みて
医師が
動脈硬化の可能性を検討します。
動脈硬化が進行している可能性が高いと
診断された場合には、
臓器への影響がどれくらいあるかを
調べるために、
心電図検査や眼底検査、上腕と下肢(脚)の
血圧差のチェック、
脈拍のチェックなどが行われます。
眼底検査は、
目の奥の網膜を
カメラで撮影する検査です。
網膜の血管は
ヒトの体で
唯一直接観察することのできる
血管であり、
その状態を観察することで
動脈硬化の程度を知ることができます。
また
さらに詳しい検査が
必要だと判断された場合には、
動脈硬化が起こっている部位ごとに
冠状動脈や
脳動脈に対し
MRIやCTスキャン、エコー検査などが行われます。
このように動脈硬化の診断は
さまざまなチェック項目や検査から
総合的に行われるのですね。
厚生労働省 e-ヘルスネット
「高尿酸血症」

健康診断で指摘されたら病院を受診しましょう
動脈硬化は
自覚症状がほとんどなく、
心筋梗塞や脳卒中などの
重大な病気を発症して気付くことも
少なくありません。
そのため、
会社の健康診断などで
動脈硬化の危険因子を持っていることが分かり、
医療機関への受診を勧められた場合には
なるべく早期に
対応しましょう。
「生活習慣を見直すように言われたけど、改善できるかな」
と不安な場合も、
病院を受診すれば
適切な指導を受けることができますよ。
またその他の持病がある方が
生活習慣の改善に取り組む場合には、
内容次第でかえって
体の負担となることもあるので
注意が必要です。
病気によっては
食事や運動内容などに
制限が必要となる場合もあるため、
かかりつけ医に相談した上で
実施するようにしてくださいね。

まとめ
動脈硬化とは、
心臓から送り出される血液を
全身に運ぶ動脈の壁が何らかの要因によって
弾力性を失い、
硬く厚くなった状態のことです。
動脈硬化は
そのメカニズムによって
アテローム動脈硬化、細動脈硬化、
メンケベルグ型硬化に分けられます。
動脈硬化のなかでも
最も一般的かつ
深刻な状態であるともいわれるのが
アテローム動脈硬化です。
アテローム動脈硬化は
狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患や、
脳梗塞といった
深刻な病気を引き起こします。
また
細動脈硬化は主に
脳や腎臓で起こり、
脳出血や腎硬化症の原因をつくります。
メンケベルグ型硬化では、
動脈瘤や動脈解離といった
病気が起こりやすくなります。
いずれの動脈硬化も
命を脅かす病気を招く危険性があり、
命を取り留めたとしても
後遺症が残ってしまう可能性があるため、
深刻な事態に至る前に
動脈硬化の予防を心掛けておくことが
重要です。
動脈硬化は主に
LDLコレステロールの増加や
高血圧、高血糖、肥満などによって
進行します。
また喫煙や飲み過ぎも
動脈硬化を進行させる要因です。
このため動脈硬化の予防には、
カロリー制限や
脂質の量・種類に対する制限、
食物繊維の摂取、減塩、禁煙、
節酒といった取り組みが勧められます。
また
適度な有酸素運動を習慣的に行うことも
ポイントです。

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